ポリマーのグラフト化による有機顔料の表面改質

DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献15件
  • 上野 浩
    Department of Material Science and Technology, Faculty of Engineering, Niigata University
  • 小笠原 誠昭
    Graduate School of Science and Technology, Niigata University
  • 小林 真人
    Graduate School of Science and Technology, Niigata University
  • 飯田 高三
    Department of Material Science and Technology, Faculty of Engineering, Niigata University
  • 坪川 紀夫
    Department of Material Science and Technology, Faculty of Engineering, Niigata University

書誌事項

タイトル別名
  • Surface Modification of an Organic Pigment by Grafting of Polymers
  • Surface Modification of an Organic Pigment by Grafting of Polymers:Graft Polymerization of Vinyl Monomers Initiated by Peroxyester Groups Introduced onto Quinacridone Surface
  • Surface Modification of an Organic Pigm
  • キナクリドン表面へ導入したペルオキシエステル基で開始されるビニルモノマーのグラフト重合
  • Graft Polymerization of Vinyl Monomers Initiated by Peroxyester Groups Introduced onto Quinacridone Surface

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抄録

キナクリドン (5, 7, 12, 14-テトラヒドロキノ [2, 3-β] アクリジン-7, 14-ジオン) の表面を改質する目的で, キナクリドン表面へ導入したペルオキシエステル基で開始されるビニルモノマーの重合による, ポリマーの表面グラフト反応について検討した。キナクリドン表面へのペルオキシエステル基の導入は, アジポイルジクロリドとキナクリドン表面のアミノ基との反応で粒子表面へ導入したアシルクロリド基とtert-ブチルハイドロペルオキシドとの反応により行った。滴定法で求めた粒子表面へのペルオキシエステル基の導入量は, 0.09mmol/gであった。キナクリドン表面へ導入したtert-ブチルペルオキシエステル基により, メタクリル酸メチル (MMA), N-ビニル-2-ピロリドン (NVPD) などのビニルモノマーの重合が開始され, 対応するポリマーがキナクリドン表面ヘグラフトすることが分かった。ポリMMA, 及びポリNVPDのグラフト率は, それぞれ25.2%, 及び26.1%であった。グラフト効率は, 重合の初期においては約50%であったが, 重合の進行とともに急激に減少した。これは, 重合の後半においては, 非グラフトポリマーの生成が優勢になることを示唆している。ポリマーがグラフトしたキナクリドンは, グラフト鎖の良溶媒中へ安定に分散した。

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