炭酸カルシウム堆積物中に産するイカアイト後のファテライト Vaterite after ikaite in carbonate sediment

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抄録

北海道,シオワッカの石灰華ドームにおいて,冬に生じたイカアイトは春先の気温の上昇によって複数の炭酸塩鉱物の集合に変わる。それからファテライトがカルサイト,モノヒドロカルサイトと共に産することを初めて認めた。野外の産状からはファテライトの生成がイカアイトの分解に密接に関係していることが考えられた。<br>   偏光顕微鏡とSEMによる観察結果からは,イカアイトの急激な分解がファテライトの核形成の引き金となったと考えられる。結晶成長はイカアイトの溶解に伴ってその後も続くが,ファテライト球晶集合に見られる平面的な配列は初期の生成がイカアイト結晶に沿う形で進行したことを示す。SEM像で確かめられたファテライトとカルサイトとの共生は,イカアイトの分解の際の不均一な核成長での生成を示唆する。他方,モノヒドロカルサイトの生成とイカアイトの分解の間には直接の成因関係は認められない。水質,産状,顕微鏡下の性質等を合わせ考えると,イカアイトの分解に伴う炭酸カルシウムに過飽和な条件下で起きた急激な晶出が,シオワッカにおけるファテライトの生成をもたらしたと言える。<br>   Ashoro-cho足寄町,Rawan螺湾,Shiowakkaシオワッカ

At the calcareous sinter dome of Shiowakka, Hokkaido, spherulitic vaterite was found in the carbonate sediments in early spring. The aggregates of ikaite formed in winter have changed to sandy carbonate sediments composed of calcite, vaterite and monohydrocalcite with an increase of temperature. The foamy aggregates and zonal structure in the spherules of vaterite indicate that the crystallization has been derived from the rapid decomposition of ikaite and subsequent growth in the spring water.

収録刊行物

  • 岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌 : journal of mineralogy, petrology and economic geology  

    岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌 : journal of mineralogy, petrology and economic geology 94(5), 176-182, 1999-05-05 

    Japan Association of Mineralogical Sciences

参考文献:  20件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10002091171
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10047992
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    09149783
  • NDL 記事登録ID
    4743358
  • NDL 雑誌分類
    ZM46(科学技術--地球科学--岩石・鉱物・鉱床)
  • NDL 請求記号
    Z15-71
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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