Mixing Enhancement of Single-Screw Extrusion Process via Chaotic Flows

  • Hwang W.R.
    Department of Mechanical Engineering, Pohang University of Science and Technology,
  • Kwon T.H.
    Department of Mechanical Engineering, Pohang University of Science and Technology,

Bibliographic Information

Other Title
  • カオス的流動による一軸押出機の混合性能向上
  • Mixing Enhancement of Single-Screw Extr

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Abstract

<p>一軸押出機の混合性能を向上させることは, 成形品の化学的あるいは機械的特性, 外観に大きな影響を及ぼすために重要と考えられている. 二軸押出機と比較した場合に, 一軸押出機の混合性能の低さは, エネルギー消費量およびコスト, メンテナンス性等における優位性にもかかわらず, その応用範囲の拡大を妨げている. そのため, 多くの研究者が, トゥエンテミキシングリング, バレル内壁面にミキシングピンを配した押出機等の各種方法を開発するなど, 混合性能の改善に取り組んできた. 混合性能を向上させるためには, スクリュ溝内の樹脂流動を乱流状態, すなわちカオス的流動状態へと導くことが重要であると考えられている. 著者らは, 1994 年に Fig. 1 に示されるような基本フライト構造のカオススクリュを設計した. フルフライトスクリュの場合では, Fig. 2 上図のように, 樹脂は xy 平面における閉ざされた閉曲線上を流動する. 一方, バリアフライトスクリュの場合は, 樹脂は Fig. 2 下図のように異なる 2 つの領域の閉曲線上を流動する. 閉曲線が隣り合う 2 つの領域間の輸送を妨げるために, 両者とも混合性能をこれ以上改善することは期待できない. もし, バリアフライトの設けられた領域 (非撹拌系) と設けられていない領域 (撹拌系) が交互に繰り返し現れるならば, 曲線が非常に複雑になり, 混合性能の大幅な改善が期待できる. これがカオススクリュの基本的な概念である. カオススクリュは, 従来のスクリュに比べて構造が簡単で, 機械加工および組立, メンテナンスが手軽であることを特長としている. 本稿において著者らは, スクリュ溝内の樹脂流動状態をカオス的流動状態へと導く力学モデルの確立を行った. 著者らは, Fig. 3 に示される xyz 空間を, Fig. 4 に示すような 2 分割された円環と考えた. そして, 円環の大きな円周をまわる運動の周波 f1 と, 円環の小さな断面をまわる運動の周波数 f2 の比 Ω (=f1/f2) がカオス的流動に対して重要であると考えた. カオス的流動状態へと導く方法は, 円環の非線形振動に基づいている. 周波数比 Ω の円環は, たとえ小さな撹拌であろうと破壊され, そして分数調波 Melnikov 法により, 巻数 ω = m'/n' (ここに, m' と n' は Ω に近い最小整数) と一致した共振帯を構成する. ω の共振帯は, 2n' の定点を有し, 定点の安定した形態は順次変化する. すなわち, n' 点は鞍点で, 残りの n' 点は長楕円となる. 長楕円の定点付近の領域が安定した島を形成し, 共振帯の内側と外側との間の流動が制限されるために, 共振帯は輸送に対して局所的な障害となる. バリアフライトの設けられていない領域により撹絆が増加するに従い, 島はより小さくなり, そして最後には消失する. その結果, スクリュ溝内のすべての領域で, 樹脂はランダムに動くようになる. これがカオス的流動状態である. 著者らは, また, 著者らの研究グループが開発した擬三次元数値解析法を用いることにより, バリアフライトの設けられた非撹拌領域と設けられていない撹拌領域の樹脂混合状態をそれぞれ解くことにより, 提案された上記力学モデルと理論が正しいことを確認した. さらに, 著者らは, 実験的なアプローチとして, 実際にカオススクリュが装着された樹脂流動可視化実験装置を設計した. そして, この装置を用いて, Fig. 9 と Fig. 10 に示されるカオススクリュ溝内での樹脂流動状況を初めて観察することに成功した. これら観察結果は定性的ではあるが, カオススクリュにおける混合性能向上のメカニズムを実証的に示しているものと言える. </p> <p>(要約 : 東京大学生産技術研究所 村田泰彦)</p>

Journal

  • Seikei-Kakou

    Seikei-Kakou 10 (8), 620-626, 1998-08-20

    The Japan Society of Polymer Processing

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