チゴガニのmound造築

  • 北浦 純
    Department of Biology, Faculty of Science, Nara Women's University
  • 和田 恵次
    Department of Biology, Faculty of Science, Nara Women's University

書誌事項

タイトル別名
  • Mound building in Ilyoplax pusilla (Brachyura: Ocypodidae)
  • Mound building in Ilyoplax pusilla Brac

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抄録

砂泥性潮間帯に造穴して生息するチゴガニにおいては,巣穴から掘り返した砂泥を少し離れた場所や巣穴口近辺に積み上げたり,巣穴近辺の砂泥を集めて巣穴口周囲に積み上げる行動が見られる.この砂泥性構築物,moundを巣穴口から離れて配置するのは,ほとんどが甲の堅い雄であったのに対して,巣穴口に接するように,または巣穴口を囲むように配置するのは,ほとんどが雌,特に抱卵雌や雌雄のつがいであった.また,moundを巣穴口に接するように積み上げていた雌は,moundのない雌に比べて地上活動時間が有意に短かったが,moundを巣穴口から離れて配置していた雄の地上活動時間は,moundのない雄のそれと変わりなかった.大量の雨が降り,地上活動の低下した日には,巣穴口に接して造られるmoundをもつ巣穴の割合が増加した.moundを巣穴口から離れた場所に配置させるか,巣穴口に積み上げるかは,地上活動の活発性に依存しているようである.

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参考文献 (12)*注記

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