北海道・大雪山における最終氷期以降の永久凍土の厚さの変化の推定 Numerical estimation of the permafrost variation on the Daisetsu Mountains, Hokkaido, Since the Last Glacial Maximum

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抄録

本研究の目的は,現実的な気温変動に伴う永久凍土の厚さの変化を推定することである.これまで,永久凍土の厚さの変化は定常現象として扱われ,その推定には一般に解析的な手法が用いられていた.そのため,地表面の温度変化はステップ的あるいはべき乗則で与えられ,現実的なものではなかった.そこで,本論文では永久凍土の厚さの変化を非定常現象として扱い,潜熱の発生を考慮した非定常一次元熱伝導モデルを導入することにより,連続的な温度変化に伴う永久凍土の厚さの経時変化を推定した.計算は北海道・大雪山の山岳永久凍土に関して,最終氷期最寒期以降の2万年について行った.その結果,永久凍土の厚さは,2万年前から現在まで地表面温度の変化に追従して変化し,およそ5000年前に11.5 mと最も薄くなった後,現在は30.1 mに達していることなどが推定できた.この結果から,大雪山の永久凍土は氷期以降も融けきることなく存在し続けていたこと,気候最適期以降,再度成長したことが示された.また,永久凍土の厚さの変化は,土壌水分量及び地殻熱流量に対して敏感であるという結果も得られた.

The objective of this study is to estimate the response of the permafrost at the Daisetsu Mountains, central Hokkaido to a continuous climatic change. A one-dimensional, nonsteady state, heat conduction model with phase change is used to calculate the change of permafrost thickness during the last 20, 000 years. The result of simulation shows that the permafrost responded quickly to the surface temperature change and it has remained without thaw since the Last Glacial Maximum. The minimum permafrost thickness is estimated at 11.5 m at about 5 kyr B. P. and reached to 30.1 m at present. The simulation also indicates that the permafrost thickness is sensitive to soil water content and ground heat flow.

収録刊行物

  • 雪氷  

    雪氷 57(2), 125-132, 1995-06-15 

    The Japanese Society of Snow and Ice

参考文献:  22件

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被引用文献:  1件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10002381636
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00131221
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    03731006
  • NDL 記事登録ID
    3624231
  • NDL 刊行物分類
    ME61(地質・地史)
  • NDL 雑誌分類
    ZM43(科学技術--地球科学--気象)
  • NDL 請求記号
    Z15-23
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  J-STAGE 
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