苧績み作業によると思われる飛鳥・室町時代女性切歯の摩耗

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  • Abrasion of icisors of women in Asuka and Muromachi age presumed by ramie spinning work.
  • オウミ サギョウ ニヨル ト オモワレル アスカ ムロマチ ジダイ ジョセ

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抄録

神奈川•山梨•長野3県下の7遺跡から出土した飛鳥•室町時代女性7個体の切歯に、苧績み作業によると思われる、後上方から前下方に向かって傾斜する特殊摩耗面が認められた。摩耗は相互に噛み合う上•下顎切歯の各対ごとに個別に起こり、しばしば複数対の切歯に生ずる。摩耗は側切歯より中切歯に多く、また左側より右側が高度である。切歯の摩耗は少数の女性に限られ、苧績み専従の女性がいたと推測される。摩耗形式に時代差がないので、苧績みの技法は飛鳥時代から室町時代まで基本的に変わっていない。苧績みは飛鳥時代に相模国で盛行し、室町時代になると甲斐•信濃両国にも波及したと思われる。

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参考文献 (19)*注記

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