現地性緑色岩と共存する赤色頁岩の起源

書誌事項

タイトル別名
  • Origin of red shale accompanied with in-situ greenstones
  • 現地性緑色岩と共存する赤色頁岩の起源--四万十累層群牟岐累層を例として
  • ゲンチセイ リョクショクガン ト キョウゾンスル セキショク ケツガン ノ キ
  • 四万十累層群牟岐累層を例として
  • an example from the Mugi Formation, northern Shimanto Belt, east Shikoku, Japan

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抄録

カンパニアン〜マストリヒチアン下部と推定される四国東部の四万十累層群牟岐累層中には,多数の玄武岩が含まれる.本累層中の玄武岩は,陸源砕屑物が堆積する海溝周辺において噴出および貫入したと推定されている.また,海溝周辺におけるこの火成活動は,海嶺衝突に由来するとされている.これらの玄武岩と密接に関連して赤色頁岩が産出する.厚さ数cmから数mの赤色頁岩は,頁岩中に挟在されたり,玄武岩溶岩と密着したりして産出する.赤色頁岩は,その産状や鏡下の特徴から,陸源砕屑物が供給される環境において,海底火山活動と関連して堆積したと推定される.赤色頁岩の地球化学的な特徴は,活動的海嶺の軸部周辺に見いだされる熱水起源の金属に富む堆積物と最もよく似ている.これらのことから,海底火山活動に関連して放出された熱水と海水とが反応しながら多量の酸化鉄や,マンガン,燐,ニッケル,亜鉛,バリウム,ヒ素などを砕屑粒子とともに沈澱させ,赤色頁岩を形成したと推定される.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 49 (2), 143-156, 1995

    地学団体研究会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (36)*注記

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