三置換芳香族化合物の反応性の同時解析

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タイトル別名
  • Simultaneous Analysis of the Reactivity of Trisubstituted Aromatic Compounds
  • 三置換芳香族化合物の反応性の同時解析 : 固気系でのT-for-H交換の利用
  • 3 チカン ホウコウゾク カゴウブツ ノ ハンノウセイ ノ ドウジ カイセキ コキケイ デ ノ T for H コウカン ノ リヨウ
  • ―固気糸でのT-for-H交換の利用―
  • —Use of Hydrogen-lsotope Exchange in a Gas-Solid System—

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抄録

一つの分子中に三つの官能基を有する芳香族化合物の反応性を, 官能基別に明らかにすることを目的とし, 二置換フェノールとトリチウム水蒸気 (HTO蒸気) との間で起こる水素同位体交換反応 (T-for-H exchange reaction) を, 固気系において速度論的に観測した (50, 60, 70℃) 。その結果得られた観測値は時間の増加とともに増加し, T-for-H交換反応が起こったことがわかった。これらのデータに.A″-McKayプロット法を適用して速度論的にこの反応を解析した結果, この反応における各官能基の速度定数 (k) が得られた。これらのkと以前得られたkとを相互比較した。また, 本研究で得られたkにHammett則の加成性を適用し, 新たな値を算出した。その値を, 以前得られたHammettプロット上に載せた。以上の結果から, 次のことが明らかになった。 (1) 本研究での手法を使うと, 互いに異なる官能基の反応性を相互比較できる。 (2) これらの官能基の反応性を速度論的に解析することができ, その解析にはA″-McKayプロット法が有効である。 (3) これらの官能基の反応性の定量比較には, 有機化学の分野で物質の化学反応性を比べるのに用いられているHammett則の加成性が適用できる。 (4) これらの官能基の反応性をT-for-H交換反応を使って, 同時に (変化させないで) 解析することができる。 (5) 本研究で使った手法は, 多種の官能基を有する化合物の反応性を官能基別に解析するのに有効である。

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参考文献 (27)*注記

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