山地源流域における地下水位,パイプ流量の関係

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タイトル別名
  • Analysis of the relationship between groundwater level and discharge rate of pipe flow at a valley head
  • サンチ ゲンリュウイキ ニ オケル チカ スイイ パイプ リュウリョウ ノ カンケイ

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抄録

これまで,森林斜面での降雨流出過程において重要な役割を果たすパイプ流の流量と地下水位の関係を明らかにした研究はほとんど見られない。そこで本研究では,山地源流域におけるパイプ流量の観測と同時に,パイプ出口から上流3.5mの区間で詳細に地下水位の観測を行い,地下水位一パイプ流量関係を明らかにした。その結果以下のことが明らかにされた。1)パイプ流は飽和帯形成後すぐには発生しない。2)降雨量が比較的小さいときは地下水位のわずかな変化でパイプ流量に大きな変化が見られ,地下水位とパイプ流量の関係に増水過程と減水過程においてヒステリシスが見られる。3)降雨量が大きくなると,地下水位の変化に対するパイプ流量の変化は小さく,地下水位とパイプ流量の関係にヒステリシスは見られない。以上の結果から,降雨量が小さいときは,周囲の土層からパイプ内ヘスムーズな水移動の生じる面積によりパイプ流量が決まると考えられた。また,降雨量が大きくなると,パイプ内は満水状態になり地下水位の変動に応じてパイプ流量が変化すると考えられた。

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