新ペネム系抗菌薬Sulopenemの抗嫌気性菌作用

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  • IN VITRO ACTIVITIES OF SULOPENEM, A NEW PARENTERAL PENEM, AGAINST ANAEROBES

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抄録

経口化学療法剤であるSulopenem (CP-70, 429) の嫌気性菌に対するin vitro抗菌力を参考菌株19属66菌種66株および臨床分離株392株を用いて, Imipenem, Flomoxef, Cefuzonam, Cefoperazone, Sulbactam/Ampicillinと比較検討した。Sulopenemは嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示し, 参考菌株を用いた検討ではほとんどの菌株に対して, MIC 0.78μg/ml以下と対照薬より低いMICを示した。しかし, Bifidobacterium spp. には最も高いMICを示し, Lactobacillus spp. にはImipenemより劣った。臨床分離株に対して, Clostridium difficileを含めて試験したすべての菌群あるいは菌種に対しMIC90は3.13μg/ml以下であり, Bacteroides thetaiotaomicronなどいくつかの菌種に対して抗菌力は最も強力であった。中でもBacteroides fragilisに対する抗菌力は極めて強力であった。Sulopenemは試験したB. fragilis 4菌株のうちMetallo-β-lactamaseであるB. fragilis GAI-30144が産生するβ-lactamaseには加水分解を受けたが, 本菌群が産生する優勢な酵素であるOxyiminocephalosporinase I型には極あて安定であった。<BR>さらに, 本薬剤のin vivo効果をB. fragilis NCTC 10581とE. coli 65-2株によるマウス腹腔内混合感染モデルを用いてImipenem/Cilastatinと比較検討したところ, 1回量120mg/kg, 1日3回, 4日間の投与で膿瘍形成阻止率および膿瘍内細菌重量でImipenem/Cilastatinに匹敵し, 膿瘍内細菌減少効果では勝る傾向を示した。Sulopenem投与マウスの盲腸内C. difficileの異常増殖は観察されなかった。

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