面積を指標としたシベリア高気圧の年々変化と東西差

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  • Interannual Variation and East-west Expansion of the Siberian High Based on an Areal Index
  • メンセキ オ シヒョウ ト シタ シベリア コウキアツ ノ ネンネン ヘンカ ト トウザイサ

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抄録

シベリア高気圧全体の年々変化を客観的に解明する目的で, 1月の月平均SLPを使用し, 1951~1990年におけるシベリア高気圧の拡大を表す指標として,1,030hPaの閉曲線内部の面積を求めて解析を行った.<br> その結果,シベリア高気圧全体の面積の年々変化としては,7~10年程度の周期的な変動がみられた.<br> 次に,シベリア高気圧を経緯度で分けることにより東西への「広がりの指数」を定義し,それぞれの変動を明らかにした.その結果,東への広がりは安定して面積が大きいのに対し,西への広がりは変動が非常に激しいことがわかった.~次に,シベリア高気圧の東西への拡大と上層の循環場との関連を求めた. 500h Pa面高度のEOF解析を行い,それぞれのパターンを,従来提唱されている上層高度場のテレコネクションパターンと比較した.その結果,第1モードは西大西洋 (WA) ないしは北大西洋振動 (NAO) パタージと対比することができ,シベリア高気圧の西への広がりと有意な相関があることがわかった.第2モードは西太平洋(WP)ないしは西太平洋振動(WPO)パターンと対比することができ,シベリア高気圧の東への広がりと有意な相関があることがわかつた また,第3モードは太平洋一北米(PNA)+ユーラシア(EU)パターンと対比することができるが,地上でのシベリア高気圧の東西方向への拡大とは有意な相関がみられない.しかし,シベリア高気圧の東西への拡大の影響を除去すると, PNA+EUパターンとシベリア高気圧の中心強度とは有意な相関があることがわかった,このように,上層の高度場で示された循環場とシベリア高気圧の東西への拡大,および一定の条件の下での中心強度と有意な相関があることは,シベリア高気圧の形成・発達のメカニズムに,これらのテレコネクションが関係していることを示唆している.

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