実験的肝細胞癌の発生に関する研究の問題点

  • 中江 大
    奈良県立医科大学附属がんセンター腫瘍病理
  • 小西 陽一
    奈良県立医科大学附属がんセンター腫瘍病理

書誌事項

タイトル別名
  • Problem of study on carcinogenesis of experimental hepatoma.

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抄録

本稿は, 実験的な肝細胞癌の発生と進展の生物学的特異性の解明にあたっての問題点について記した. 日本は, 佐々木隆興・吉田富三両博士がO-アミノアゾトルオールによるラット肝癌の誘発を世界ではじめて報告されて以来, 化学発癌研究の分野で世界をリードしてきた歴史を有している. 我々は, 日本の研究者として, 先人の衣鉢を継ぎ, ヒトの肝細胞癌の発生過程の解明とその制御に資する情報を得られる研究を行っていかなければならない. 予後不良な肝細胞癌の制御には, その発生過程の機序を基に, 本稿では触れなかった化学予防に関する知見などをも集積し, この癌の進展の阻止または遅延をもたらす研究成果を獲得すべく努力を続けることが必要であろう.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 40 (2), 61-65, 1999

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (55)*注記

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