椎骨静脈系を介して頭蓋骨,下垂体に転移したと考えられる胆管細胞癌の1剖検例

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タイトル別名
  • An autopsy case of cholangiocellular carcinoma with metastasis in the skull and pituitary gland through the vertebral venous system.

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抄録

症例は69歳, 女性. 左顔面の鈍痛, 左眼瞼下垂および下垂体機能低下で発症し. 頭蓋骨, 下垂体に原発不明の癌転移が認められ, 剖検によって胆管細胞癌と判明した症例を報告した. その転移経路は, 肺には肺動脈末梢枝にごく少量の癌塞栓がみられるのみであり, 外椎骨静脈叢に高度の癌塞栓がみられたことから, Batsonの提唱した椎骨静脈系を介するものと考えられた. すなわち, 門脈に侵入した胆管細胞癌が奇静脈に流入し, 椎骨静脈系, 脳底静脈叢および海綿静脈洞を経て下垂体および頭蓋骨に転移したと推測される. 胆管細胞癌が椎骨静脈系を介する経路で頭蓋骨および下垂体に転移することは稀であるが, 肺転移のみられない症例ではこのような可能性を念頭において原発巣を検索する必要がある.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 40 (7), 414-418, 1999

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (10)*注記

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