抗白血病剤による白血病細胞のアポトーシス誘導機構

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タイトル別名
  • The Mechanism of Apoptosis induced by Anticancer Agents in Human Leukemia HL-60 cells

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抄録

われわれは,抗白血病剤によるアポトーシス誘導過程におけるプロテアーゼの役割について検討した。セリンプロテアーゼ阻害剤TPCKおよびICE阻害剤VAD-FMKは共にエトポシド,カンプトテシンおよびara-CによるHL-60細胞のアポトーシスを強く阻害した。これらのプロテアーゼ阻害剤によるアポトーシス抑制効果のメカニズムを検討するため,特にエトポシドをHL-60細胞に添加する系を対象として,アポトーシスに陥った細胞からの抽出液を用いた無細胞系(cell-free system)での検討をおこなった。その結果,エトポシドによるアポトーシスの誘導過程において,HL-60細胞ではセリンプロテアーゼおよびICE-like enzymeが共に関与していると考えられるが,両者はそれぞれ異なったステップで作用しており,特にDNA ladderの誘導には,セリンプロテアーゼがより密接に関連していることが強く示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 37 (7), 552-557, 1996

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (18)*注記

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