Burkittリンパ腫で死亡したidiopathic CD4+ T-lymphocytopenia

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タイトル別名
  • Idiopathic CD4+ T-lymphocytopenia Terminating in Burkitt's Lymphoma

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抄録

症例は33歳,男性。1985年,著明な好中球減少症(55/μl)で入院した。精査の結果,自己免疫性好中球減少症は否定された。免疫グロブリン値は正常であったが,CD4+ Tリンパ球は128/μl, CD4/CD8も0.1と低下していた。CD4+ Tリンパ球数は1993年1月までの間に9回測定し,5回で同数値が300/μl以下であった。HIV (type 1とtype 2)は陰性であった。1987年EBウイルス感染症に罹患し,VCA-IgGとEA-IgGの値が約半年間高値を示した。1994年2月,両側鼻腔のポリープ様腫瘍の摘出術を受け,病理診断でBurkittリンパ腫と診断された。EBウイルスのEBER Iを用いたin situ hybridizationでは腫瘍細胞に一致して多数の黒褐色陽性像を認めた。COPBLAM IIIの変法で治療したが,同年6月死亡した。剖検でほぼ全身の諸臓器に浸潤した悪性リンパ腫細胞を認めた。患者は何らかの原因でidiopathic CD4+ T-lymphocytopeniaとなりEBウイルス感染症を併発し,82カ月後にBurkittリンパ腫を発症したものと推定した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 38 (7), 599-603, 1997

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (11)*注記

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