<I>Legionella</I>肺炎の診断法と臨床的特徴に関する検討

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タイトル別名
  • Clinical and Diagnostic Characteristics of <I>Legionella</I> pneumonia
  • Legionella肺炎の診断法と臨床的特徴に関する検討
  • Legionella ハイエン ノ シンダンホウ ト リンショウテキ トクチョ
  • Clinical and Diagnostic Characteristics of Legionella pneumonia

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抄録

Legionella肺炎疑いの患者で, 当教室に送付された患者検体で確定診断のつけられた18症例の診断学的および臨床的特徴について解析した. 患者の平均年齢は62.0歳, 性差は14: 4で男性に多くみられ, 18症例中12例が何らかの基礎疾患を有していた.Legionella肺炎の診断は培養法で3例, 血清抗体価測定法で5例, 尿中抗原検出で8例, PCR法で9例が陽性を示した. 推定起炎菌はL. pnennzophilaが16例, L. bozemaniiが1例, 残りの1症例はL. pnenmophilaL. dumoffiiによる肺炎症例であり, L. pnenmophila肺炎のうち4例が死亡の転帰をとった. 胸部X線においては多発性病変 (14例), 肺胞性陰影 (10例), 胸水合併 (5例) の頻度が高く, 入院時血液ガス検査において全例でA-aDO2の異常を伴う低酸素血症がみられた. 臨床検査値ではほとんどの症例で白血球数, 好中球分画, CRPにおいて強い炎症所見が観察され, また肝機能障害, LDH上昇, CPK上昇を示す症例も多くみられた. 血清抗体価により診断された5症例では発症5週までに陽性結果が得られたが, 抗体検査では陰性と判定された症例が10例みられた. 尿中抗原は発症早期に高く経過とともに低下傾向を示したが, 発症1週目においても6例全例が陽性, 発症1カ月後においても2例が陽性を持続していた. 全ての症例において経過中にマクロライド剤が投与されていたが, 死亡の転帰をとった4症例中3例ではマクロライド剤の投与時期が遅れていた.本肺炎の診断に際しては, 培養法に加え血清抗体価測定, 尿中抗原検出, PCR法などを併用することが必要であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 71 (7), 634-643, 1997

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (23)*注記

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参考文献 (19)*注記

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