His‐Purkinje系におけるWenckebach型房室ブロックの臨床電気生理学的検討

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タイトル別名
  • Wenckebach Type Second Degree Atrioventricular Block in the His-Purkinje System.

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抄録

His-PurkinJe系におけるWenokebaoh型房室ブロック10例 (ヒス束内ブロック6例, ヒス束遠位 (H-V) ブロック4例) の臨床電気生理学的特徴を検討した.<BR>(1) Wenokebaoh型房室ブロックは, 洞調律時, 心房ペーシング時ともに毎分100以下の心房拍数で出現した.<BR>(2) WenokebaGh周期中のブロック後第1拍目よりQRS波脱落直前までの房室伝導時間の延長の様式は, 房室結節内 (A-H) ブロックとの鑑別に有用でなかった.<BR>(3) 硫酸アトロピンもしくは運動負荷における房室伝導は, 全例負荷後2度以上の房室ブロックを呈し, 不変であった1例を除く全例で悪化した.<BR>(4) 全例で徐脈による症状, およびより高度な房室ブロックへの進展を認め, ペースメーカー治療を要した.<BR>Wenokebach型房室ブロックであっても, 徐脈による症状を伴い, 硫酸アトロピンもつしくは運動負荷後も2度以上の房室ブロックを呈する例では, His-Purkinje系の伝導障害が疑われ, ペースメーカー治療の必要性が示唆された.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 16 (1), 1-14, 1996

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (34)*注記

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