大腿結合織の軟部組織腫瘍として発生した非Hodgkinリンパ腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Non-Hodgkin's Lymphoma Presenting as a Soft Tissue Tumor in the Connective Tissue at the Thigh

この論文をさがす

抄録

大腿の巨大皮下軟部組織腫瘤として発症した非ホジキンリンパ腫を報告する。症例は62歳男性。2年前から徐々に増大する右大腿部腫瘤の精査のため来院。腫瘍は小児頭大の弾性硬,表面平滑な腫瘤として触れ,表在リンパ節は触知しなかった。超音波検査で網目状パターンの低エコーを呈し,MRIでは,腫瘍は皮下脂肪織や骨格筋と明確に区別されており,軟部結合織由来と考えられた。血管造影では極めて血流の豊富な腫瘍として描出され,Gaシンチグラムでも同部位に著しい集積を認めた。また血清IgMが高値で,IgM, λタイプのM蛋白が証明された。生検結果は非ホジキンリンパ腫,B細胞性lymphoplasmacyticであり,外科的切除と局所放射線療法および全身化学療法の併用により寛解を維持し,血清IgMも正常となっている。標本の免疫染色ではL26陽性,かつIgM, λともに陽性であり,腫瘍と血清IgMのモノクローナルな上昇との関連が示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 36 (5), 493-499, 1995

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ