網状血小板測定法の基礎的検討および各種血小板減少症における網状血小板比率の測定

  • 林 悟
    大阪大学医学部附属病院輸血部
  • 押田 眞知子
    大阪大学医学部附属病院輸血部
  • 清井 映男
    大阪大学大学院医学系研究科B5分子制御内科学(第二内科)
  • 田所 誠司
    大阪大学大学院医学系研究科B5分子制御内科学(第二内科)
  • 柏木 浩和
    大阪大学大学院医学系研究科B5分子制御内科学(第二内科)
  • 本田 繁則
    大阪大学大学院医学系研究科B5分子制御内科学(第二内科)
  • 冨山 佳昭
    大阪大学大学院医学系研究科B5分子制御内科学(第二内科)
  • 倉田 義之
    大阪大学医学部附属病院輸血部

書誌事項

タイトル別名
  • Reticulated Platelet Determination: Methodologies and Applications for the Evaluation of Thrombocytopenic Disorders
  • モウジョウ ケッショウバン ソクテイホウ ノ キソテキ ケントウ オヨビ カクシュ ケッショウバン ゲンショウショウ ニ オケル モウジョウ ケッショウバン ヒリツ ノ ソクテイ

この論文をさがす

抄録

網状血小板(RP)は細胞質にRNAが残存している血小板で,新生血小板と考えられている。近年,RP数は血小板の産生動態を反映するとして血小板減少症の病態解析・鑑別診断に利用されつつある。しかしながら,チアゾール・オレンジ(TO)を用いての染色法は非特異が強いため感度,再現性,特異性に問題がある。現在までRPの染色条件を詳細に検討した報告はほとんどなく,未だ標準的な測定法は確立していない。われわれはTOによる非特異染色を解決するために染色条件を詳細に再検討した。染色法としては,1) 血小板を固定,2) TO液は8倍,3) 染色時間は60分∼120分,4) 抗CD42b抗体を用いて血小板を捕捉することなどが重要であった。上記染色条件で同時再現性は3.4∼5.1%と良好であった。ITPでのRP比率は23.6±13.3%と健常人の8.7±2.2%に比べ有意に高値であった。また87%のITP症例でRP比率は高値と感度も良好であった。われわれが確立したRP測定法は血小板減少症の病態解析・鑑別診断に十分使用可能であると思われた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 40 (3), 205-212, 1999

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (12)*注記

もっと見る

参考文献 (17)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ