リンパ節に発症し比較的短期間に治療抵抗性の多発性骨髄腫へ移行した髄外性形質細胞腫

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タイトル別名
  • Refractory Multiple Myeloma Preceded by Extramedullary Plasmacytoma of Lymph Node
  • —症例報告と文献的考察—
  • —A Case Report and Review of the Literature—

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抄録

髄外性形質細胞腫(EMP)は一般に予後良好で,多発性骨髄腫(MM)へ移行することは少ないと言われてきた。また,リンパ節原発のEMPの報告例はまれで,その臨床像の詳細は知られていない。最近われわれは,リンパ節のEMPで発症し,18カ月という比較的短期間で治療抵抗性のMMに移行した症例を経験した。[症例]74歳,女性。1993年12月右鼠径リンパ節腫大が出現,1994年4月生検でEMPと診断された。血清M蛋白陰性,尿中Bence Jones蛋白(BJP)陽性。骨髄中形質細胞増加や骨病変は認められなかった。全切除後に局所照射を追加し,BJPも消失した。しかし1995年10月右胸鎖関節部腫瘤が出現。頭蓋骨の打ち抜き像あり,骨髄中形質細胞も増加し,MMへ移行していた。MCNU-VMP療法で一時改善がみられたが,次第に治療抵抗性となり,1998年3月より急激に骨破壊が進行し,EMPの診断から4年6カ月後に肺炎で死亡した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 40 (6), 505-510, 1999

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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