平衡下における脂肪族エーテルのα炭素上水素の反応解析 (T-for-H交換の利用)

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of the Reactivity of Hydrogen Atoms Bonded to α-Carbon in Aliphatic Ethers under the Equilibrium Conditions (Use of T-for-H Exchange)
  • ヘイコウ カ ニ オケル シボウゾク エーテル ノ アルファ タンソ ジョウスイソ ノ ハンノウ カイセキ T for H コウカン ノ リヨウ
  • Analysis of the Reactivity of Hydrogen Atoms Bonded to α-Carbon in Aliphatic Ethers under the Equilibrium Conditions (Use of T-for-H Exchange)

この論文をさがす

抄録

脂肪族エーテルのα炭素に直結したH原子がT-for-H交換反応に関与できるかどうかを明らかにするため, 直鎖構造を持つエーテルとT標識化合物との間のT-for-H交換反応を平衡下で, 20℃において観測した。この反応は固液系で行われた。用いたエーテルはローンペァを持つ一つの原子を有しており, それらは, ジエチルエーテル, 2, 2ノージクロロジエチルエーテル, そして1, 2-ジクロロエチルエチルエーテルであった。この交換反応において, 固体試料物質としてT標識OH基 (すなわちOT基) を持っポリ (ビニルアルコール) を, 液体試料物質としてp-キシレンに溶かしたおのおののエーテルが用いられた。比較のため, ジフェニルエーテルもまた本研究で使われた (50-80℃) 。溶液の濃度は, それぞれ0.5mol・dm-3であった。本研究から得られた結果から, 次の四つが明らかとなった。 (1) ジエチルエーテルの反応量は2, 2′-ジクロロジエチルエーテルのそれと同様であり, 1, 2-ジクロロエチルエチルエーテルの反応量は前者二つの3/4倍であった。 (3) T標識化合物と接触すると, それぞれのエーテルのα-炭素に結合しているH原子は, T-for-H交換反応に関与することができる。 (3) ジフェニルエーテルの速度定数と以前の研究で (A″-McKayプロット法を使って) 得られた速度定数 (アニリンとベンズアルデヒドのもの) とを比較すると, ジフェニルエーテルはこの交換反応を起こすための後者と同様な能力を持つ。言い換えると, ある種のエーテルのα炭素に結合したH原子は, アニリンの-NH2やベンズァルデヒドの-CHOと似たような反応性を持つ。 (4) エーテルのα-炭素に結合したH原子は, T-for-H交換反応だけでなく他の化学反応も起こすと思われる。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (39)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ