Tolosa-Hunt症候群を合併した自己免疫性好中球減少症

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タイトル別名
  • Autoimmune Neutropenia Accompanied by Tolosa-Hunt Syndrome

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抄録

症例は47歳,女性。発熱,複視,眼窩部痛および高度の好中球減少のため当科外来受診。骨髄は好中球分節核球のみ著減しており無顆粒球症からの回復期と診断,G-CSF 1μg/kg/日投与により好中球は一旦回復した。G-CSF投与中止後好中球減少が再燃,同量のG-CSF再投与には反応しないため入院した。眼球運動障害,三叉神経第一枝領域の自発痛,知覚低下があり,高度の好中球減少の他,貧血,血小板減少も認めた。Coombs試験陽性,PA-IgG高値,抗NA1抗体陽性,赤血球・血小板寿命の短縮から自己免疫機序による血球破壊の亢進が示唆された。G-CSF 5 μg/kg日投与とそれに続く副腎皮質ステロイド投与により血液所見は改善した。一方,ステロイド投与で神経所見および複視も速やかに軽快,Tolosa-Hunt症候群と考えられた。Tolosa-Hunt症候群様の神経所見と自己免疫性血球減少症が合併した稀な病態と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 40 (11), 1168-1173, 1999

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (16)*注記

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