Sicilian Gambitに基づく臨床における抗不整脈薬使用の実際

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タイトル別名
  • <I>The Sicilian Gambit approach to selecting antiarrhythmic drugs in clinical practice</I>

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抄録

Sicilian Gambitは, 不整脈の表現形よりも機序に基づいて, その不整脈を停止に導く弱点 (受攻因子vulnerable parameter) を探しだし, そのためのチャネルターゲットから抗不整脈薬を決定するアプローチを提唱した.このアプローチをとることにより, 経験を重視したり, 抑制結果を重視した従来の方法と異なり, 機序を重視したより科学的な薬剤選択, さらには薬剤開発が可能となりつつある.実用面でもこのアプローチは抗不整脈治療の効率を高め, しかも安全性を確保するのに役立っている.具体的には不整脈の機序をまず見きわめ, その受攻因子を同定し, 次に標的に作用する薬剤を列挙する.その際それぞれの薬剤の作用の強さや特徴を認識するとともに, 標的以外のチャネルや受容体への作用にも熟知している必要がある.さらに患者の心電図や全身の状態を把握したうえで, 催不整脈作用や陰性変力作用, あるいは心外性の副作用の少ない薬剤を選択する.このプロセスを迅速かつ緻密に行うために, コンピュータを利用できるようになった.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 20 (3), 209-217, 2000

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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