Pseudomonas aeruginosa臨床分離株の疫学的分析 特に血清型,薬剤感受性について

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タイトル別名
  • Epidemiological Analysis of Clinically Isolated Pseudomonas aeruginosa. Especially about Serotype and Sensitivity Against Antibiotics.
  • Especially about Serotype and Sensitivity Against Antibiotics
  • 特に血清型, 薬剤感受性について

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抄録

1991年7月~1994年12月に当院の臨床材料より分離されたPseudomonas aeruginosa6,899株のうち, 同一患者の同一血清型株を除いた1,791株について, 血清型と薬剤感受性を中心として疫学的分析を行った. 検出数は材料別では喀痰が, また病棟別では一般外科病棟, 膠原病・血液疾患患者の多い病棟で多かった. 血清型の分離頻度はG, B, E, Iの順であった.材料別では型別分離率に大きな違いはみられなかった. 推移では全体を6ヵ月ごとの7期に分けたうちの第6期 (1994年1月~6月) と第7期 (1994年7月~12月) にB型が上昇しており, この時期にB型株の流行があったと思われる. また薬剤耐性株分離率は, 消化器系材料ではアミノグリコシド系が, 泌尿器系材料ではニューキノロン系が特に高かった.血清型を加味した場合, E型の薬剤耐性株分離率はgentamicin (GM) では経過とともに低下していたが, imipenem (IPM) では上昇傾向であった. 以上より, 易感染患者の多い病棟と呼吸器系材料からP.aeruginosaが多く分離されたこと, 耐性パターンが分離臓器によっては特徴を有することなどが示された. また各病棟別に血清型などを指標として解析することにより, その病棟におけるP.aeruginosaの院内感染の状況が把握しやすくなることが立証された.疫学調査の面からは, 各診療科へのフィードバックを目指し, 簡便で有効な分析方法を考えていくことが今後の大きな課題である.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 12 (2), 118-123, 1997

    日本環境感染学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (17)*注記

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