Aeromonas 壊死性軟部組織感染症 ―本症重篤化機序についての一考察―

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抄録

Vibrio vulnificus(以下Vvと略記)とAeromonas属(以下Aと略記)による重篤な軟部組織感染症は,皮膚科領域のみでなく広く医療現場で問題となっている.今回我々は,A感染症の自験3例を含む1973年から1999年までの本邦報告75例を検討した.実際は相違点が多々あるにもかかわらずA感染症はAがVvと同じVibrionaccae科に属することから,Vv感染症と類似の感染症と考えられているので,本稿では両症の細菌学的ならびに臨床的相違点を中心に報告する.経口感染により肝硬変患者に発症したA感染症の予後はVv感染症のそれより極めて不良であるが,おの重篤化の機序は,自験剖検例と本邦集計の検討から,Aの増殖を伴った壊死性腸炎部には達しないことから,患肢切断や集中治療にもかかわらず,本菌を全身に散布し続け,さらにその感染病巣に炎症性細胞が浸潤して来ないため重篤化すると推察した.

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