高亜鉛血症を合併した壊疽性膿皮症の1例

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タイトル別名
  • Pyoderma Gangrenosum Associated with Hyperzincemia
  • コウアエン ケツショウ オ ガッペイ シタ エソセイ ノウ ヒショウ ノ 1レイ

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抄録

6歳,女児.生後3カ月に鼠径ヘルニアの手術を受けた.術後から肝障害,貧血,白血球減少,CRP高値が持続し,慢性EBウイルス感染症の疑いで近医小児科に通院していた.4歳頃から頸部,頭部,下腿に潰瘍を多発してきたため,平成11年10月27日名古屋市立大学病院皮膚科を受診.臨床像,生検による潰瘍化などから,壊疽性膿皮症と診断した.EBウイルスの再活性化を認めたが,リンパ腫,炎症性腸疾患などの明らかな基礎疾患を認めなかった.経過中の検索で著しい高亜鉛血症を認めた.近年,高亜鉛血症がある種の免疫不全を来す疾患概念として提唱されており,汎血球減少,好中球機能異常などの免疫系の異常や肝脾腫に加えて,壊疽性膿皮症や血管炎などの皮膚症状を呈した症例も報告されている.高亜鉛血症に壊疽性膿皮症を合併した症例と本症例を比較すると多くの類似点があり,本症例の壊疽性膿皮症の基礎疾患として,高亜鉛血症が示唆された.

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