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抄録
トロンボモジュリン(TM)は内皮細胞の活性化や傷害性を反映するマーカーとして知られている.血管肉腫は高い増殖性をもつ悪性内皮細胞腫であることから,血管肉腫の病勢と血清中のTM値との相関性について検討した.2症例の頭部血管肉腫の臨床経過を通じて,血清中のTMをELISA法にて定量した.また,TMの推移を内皮細胞マーカーである第Ⅷ因子関連抗原(FⅧ-RAg)およびエンドセリン-1(ET-1)の推移と比較検討した.血清中のTMの推移は治療効果の有無によって変動する病勢と相関した.FⅧ-RA値の推移はTM値の推移とほぼ一致したが,ET-1値は乱変動した.一般に採血時や保存時の被検体の安定性を考慮するとTM測定値は他の2者に比してより信頼性があると思われる.従って,血清中のTM値は血管肉腫の病勢を反映するよい指標と思われる.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 107 (6), 793-, 1997
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205739970176
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- NII論文ID
- 130004681038
- 10007728480
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- COI
- 1:CAS:528:DyaK2sXjvFKrs7s%3D
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可