人下顎大臼歯における髄室床象牙質の組織学的観察

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  • A Histological Study on the Dentin of the Floor of Pulp Chamber in the Human Mandibular Molar
  • ヒト シタアゴ ダイキュウシ ニ オケル ズイシツユカ ゾウゲシツ ノ ソシキガクテキ カンサツ

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抄録

下顎大臼歯の髄室床象牙質における (1) 象牙細管の直径と密度, (2) 象牙細管の側枝と終枝, (3) 顆粒層の特長を研磨標本ならびに脱灰連続切片標本を用いて観察した。<BR>(1) 象牙細管の直径と分布密度は髄室床では歯冠象牙質より少い。歯根象牙質の象牙細管の単位面積内の数は歯冠象牙質のそれにくらべて約1/2であり, 髄室床下部は歯冠と歯根のほぼ中間の値で, 歯冠: 歯根: 髄室床下部の単位面積内の細管数の比は大略4: 2: 3の割合である。<BR>象牙細管の直径は歯冠で4~6μ, 歯根で3~6μで歯冠においてやや太い。髄室床下部では歯冠, 歯根より細い (3~5μ) 。髄室床上部は下部よりやや太く, 歯根より歯冠における状態に近い。<BR>(2) 側枝と終枝の様相は, 髄室床下部では歯根象牙質に近く, 髄室床上部の歯髄面に近い処では歯冠象牙質の形態に類似している。髄室床象牙質に面する歯冠象牙質 (zone of dislocation, Everett et a1.) には, 象牙細管の本幹から髄室床の方向にのみ派生している側枝がみられた。<BR>(3) 髄室床象牙質表層には歯根象牙質にみられる顆粒層があるが, 分布密度は少く, 根間稜の部位には特に少い。

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