HBs抗体陽性患者における自家末梢血幹細胞移植後のB型肝炎ウイルス再活性化の検討

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タイトル別名
  • Reactivation of hepatitis B virus after autologous peripheral blood stem cell transplantation in patients with positive hepatitis B surface antibodies
  • HBs コウタイ ヨウセイ カンジャ ニ オケル ジカ マッショウケツ カンサイボウ イショク ゴ ノ Bガタ カンエン ウイルス サイカッセイカ ノ ケントウ

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抄録

HBs抗体陽性例からHBVの再活性化によるB型肝炎の発症は,同種骨髄移植などにおいては報告されているが,自家末梢血幹細胞移植(APBSCT)後の頻度やrisk factorを検討した報告はこれまでない。当科においてAPBSCTを施行した47例中3例が移植後B型肝炎を発症した。3例はいずれも多発性骨髄腫の症例で,移植前HBs抗体陽性であった。輸血からの感染は否定的であり,その他の原因も否定できることから,潜伏していたHBVの再活性化が原因と考えられた。この3例をB型肝炎を発症しなかった移植前HBs抗体陽性例(21例)を対照として比較すると,移植前のHBs抗体価が低い傾向にあり,移植後のステロイドの使用量は有意に多かったが,移植前のHBc抗体価や移植後の輸血量には差がなかった。APBSCT前にHBs抗体が陽性であっても,免疫能の低下によるHBVの再活性化によるB型肝炎の合併に留意する必要がある。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 41 (4), 322-328, 2000

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (20)*注記

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