脊髄圧迫症状で発症した硬膜外脊髄か粒球肉腫

書誌事項

タイトル別名
  • Granulocytic sarcoma presenting as an epidural mass with spinal cord compression.
  • 症例 脊髄圧迫症状で発症した硬膜外脊髄顆粒球肉腫
  • ショウレイ セキズイ アッパク ショウジョウ デ ハッショウ シタ コウマク ガイ セキズイ カリュウキュウ ニクシュ

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抄録

症例は73歳,男性。急激に発症した背部痛と下肢の麻痺で入院した。胸椎のガドリニウム造影MRIで第4∼6胸椎レベルで右後方から脊髄を圧排する硬膜外脊髄腫瘤と第5∼6胸椎体の増強像を認めた。速やかに椎弓切除術が施行されたが,麻痺は改善しなかった。生検像では,細胞質のわずかな未分化な非特異的円形細胞の集塊がみられ,抗ミエロペルオキシダーゼ抗体に陽性反応を示し,顆粒球肉腫と診断した。2カ月後,前胸壁に転移と思われる顆粒球肉腫が出現した。両腫瘤に対し放射線療法を施行したところ腫瘍は縮小した。しかし,経過中に敗血性ショックで死亡した。顆粒球肉腫の多くは骨髄性白血病や骨髄増殖性疾患の経過中にみられ,本例のような骨髄病変を認めない「非白血病性」の顆粒球肉腫(“nonleukemic” granulocytic sarcoma)は稀で,これまでに8例の症例報告がみられるにすぎない。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 41 (8), 653-657, 2000

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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