ヒトパルボウイルスB19感染により白血球,血小板減少を来した3成人例

書誌事項

タイトル別名
  • Leukocytopenia and thrombocytopenia preceded by human parvovirus B19 infection: report of three adult cases
  • 症例 ヒトパルボウイルスB19感染により白血球,血小板減少を来した3成人例
  • ショウレイ ヒトパルボウイルス B19 カンセン ニ ヨリ ハッケッキュウ ケッショウバン ゲンショウ オ キタシタ 3 セイジンレイ

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抄録

当院の位置する大分県佐伯市では1999年6月より2000年1月まで伝染性紅斑が流行しているが,その間血球減少で紹介された成人3例にヒトパルボウイルスB19 (B19)感染が証明された。症例は32歳女性,38歳女性,63歳男性で,発熱,関節痛等を主訴とし,2例に発疹を軽度認めた。初診時末梢血はそれぞれWBC (% neutrophil)が1,000/μl (70), 1,900/μl (40), 1,680/μl (40), ヘモグロビン9.4 g/dl, 9.8 g/dl, 14.9 g/dl, PLT 10.8×104l, 6.9×104l, 4.5×104lであった。B19感染は血清B19 DNAや血清B19IgM抗体にて証明された。32歳女性はG-CSF等にて治療を行い,血球減少は軽快した。ほかの2例は約2カ月後も血清B19 DNA陽性が持続し,うち1例は白血球,血小板減少が2カ月以上持続している。B19感染による白血球,血小板減少が健常人に対しても起こることが稀でない可能性があり,伝染性紅斑流行期の成人の白血球,血小板減少では貧血が軽度であってもB19感染の可能性を考慮すべきと考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 41 (7), 596-600, 2000

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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