長さ弁別課題を用いた左半側空間無視の検討

  • 稲木 康一郎
    リハビリテーションセンター鹿教湯病院臨床心理科
  • 平林 一
    リハビリテーションセンター鹿教湯病院臨床心理科
  • 伊沢 真
    リハビリテーションセンター鹿教湯病院神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Assessment of the Effect of Left Unilateral Spatial Neglect on Line Length Discrimination Tasks.

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抄録

    左半側空間無視を呈した10例について,線分二等分,長さ弁別,弁別後の二等分の3つの課題を実施した。長さ弁別は,線分上に垂線を付し,その左右部分ではどちらが長いかを答える課題であり,主観的等価点は,オージィブ曲線から直線補間法を用いて算出した。弁別後二等分は,長さ弁別に引き続き線分を二等分する課題であった。<br>    症例間で比較すると,右方偏位は,長さ弁別も弁別後二等分もそれぞれ線分二等分より小さくなった。また,症例内では,弁別後二等分は線分二等分と比べて,右方偏位が5/10例で有意に減少した。また,長さ弁別の判定内容と,弁別後二等分の調整の方向は,8/10例において一致していた。<br>    左半側空間無視があっても,左右の長さ弁別は比較的保たれていること,弁別後に二等分を課すと,弁別に基づいた適切な調整が行われることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 17 (4), 285-294, 1997

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)

参考文献 (23)*注記

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