肺子宮内膜症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF PULMONARY ENDOMTORIOSIS
  • ハイ シキュウ ナイマクショウ ノ 1レイ

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抄録

胸部不快感を主訴とし, 32才の時に人工妊娠中絶, 35才の時に子宮筋腫のために子宮全摘術と右付属器摘出術の既往のある38才,主婦.胸部X線像にて,両肺野に径1~2cmの結節性陰影を2個ずつ認め,転移性肺癌を疑つたが,原発巣が見当らないので,左開胸肺生検した. 2個の左側摘出腫瘤は,形態学的にいずれもfibroadenomyomatosisの所見を呈し,多発性肺過誤腫ないしは,肺子宮内膜症が考えられた.その後の経過観察により,基礎体温の低体温期に一致して血痰や胸部不快感が出現したこと,および偽妊娠療法で胸部不快感の軽減をみたことから,肺子宮内膜症と最終診断が行なわれた症例である.肺子宮内膜症は,子宮内膜あるいは内膜様組織が異所性に肺に発症した状態と定義されるが,文献上の報告例は11例にすぎない. X線診断上重要な資料を提供するものと言えよう.

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被引用文献 (2)*注記

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