虚血性心疾患における経皮的冠動脈形成術後再狭窄の心電図診断 Assessment of restenosis for percutaneous transluminal coronary angioplasty by electrocardiogram

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抄録

経皮的冠動脈形成術 (PTCA) 後の再狭窄の心電図診断で一般的なものは運動負荷心電図である.またQT dispersion (QTD) がPTCAによる心筋虚血の診断に有用であると報告されている.そこで, 運動負荷心電図およびQTDの再狭窄評価につき検討した.方法および結果: 研究1; 連続約350症例のPTCA成功例よりPTCA前, 1カ月後, および冠動脈造影による再狭窄評価直前に症候限界性トレッドミル運動負荷試験 (ETT) を施行し得た40症例を対象とした, PTCAの成功は完全な血行再建術とし, 再狭窄の定義は拡張した血管径の50%以上の狭小化, 狭窄度が70%以上に達した時とした.非再狭窄症例19例 (52±9歳) および再狭窄症例21例 (56±9歳) で, 非再狭窄症例ではPTCA前ETT時最大ST降下度 (J, 80msec) は-1.8±0.5mmであったが, 1カ月後, 再狭窄評価直前ではそれぞれ-1.0±0.6, -1.0±0.8mmと有意の改善が認められた, しかし再狭窄症例では有意の改善は認められなかった.非再狭窄症例では再狭窄評価直前のETTにおいて狭心痛誘発頻度が有意に低率で, 虚血閾値の改善を認めた, PTCAの再狭窄予測にETT時の心電図は有用である可能性が示唆された, 研究2: 待機的PTCAを施行した連続41症例のうち, 陳旧性心筋梗塞非合併例24例 (69±10歳) と合併例17例 (61±11歳) にわけ検討した.再狭窄症例のQTDの変化も検討した, QTDの計測は標準12誘導心電図よりPTCAの前後に施行した.QTDは通常のごとくmaximum QT-minimum QTとして求めた.陳旧性心筋梗塞非合併例ではPTCAによりQTDは73±35msecから51±18msecへと有意に低下したが, 陳旧性心筋梗塞合併例ではPTCA前QTDは73±25msecからPTCA後69±22msecへの変化にとどまり有意ではなかった.PTCA再狭窄評価直前のQTDを検討すると, 再狭窄をきたした症例ではQTDは78±8msecへと再増加が認められた.PTCAによりQTDは有意に改善するが, 陳旧性心筋梗塞合併例では影響が少なく, PTCA再狭窄によりQTDは有意に増加しPTCA再狭窄診断においてQTDが有用である可能性が示唆された.結論; PTCA再狭窄診断における運動負荷心電図および, 標準12誘導心電図より求めたQTDの有用性が示唆される.しかし, QTDの評価には陳旧性心筋梗塞合併等の影響も考慮すべきである.

収録刊行物

  • 心電図 = Electrocardiology

    心電図 = Electrocardiology 21(3), 270-279, 2001-05-01

    The Japanese Society of Electrocardiology

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008114683
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00358282
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    02851660
  • データ提供元
    CJP書誌  J-STAGE 
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