PTCAバルーニングにおける心拍数の経時的変動  閉塞冠動脈枝による相違について

書誌事項

タイトル別名
  • The changes in heart rate during PTCA ballooning. The difference among RCA, LCX, and LAD ballooning.
  • -<I>the difference among RCA, LCX, and LAD ballooning</I>
  • ―閉塞冠動脈枝による相違について―

この論文をさがす

抄録

心臓の交感および副交感神経分布は部位により異なるため, PTCA中に神経反射によりもたらされる心拍数 (HR) 変動も閉塞枝により異なると考えられる.PTCA中, 心電図でST上昇を認めた62例において, RCA群 (18例) ではBezold-Jarisch反射によると考えられるHR低下を認めたが, LCX群 (10例) は有意なHR変化を認めなかった.一方, LAD群 (34例) はHR単調増加型 (I型) とHR非増加型 (NI型) に分類できた.I型とNI型では年齢・性別・前胸部誘導ST上昇の総和ΣST (mm) に有意差を認めなかったが, I型はNI型よりも有意に心機能が低く, 対側心筋梗塞の合併率・PTCA中の不整脈出現率は有意に高かった.LAD群のHR変化は, 交感および副交感神経の分布の相違と, 虚血・梗塞巣の広がりの相対的関係に依存して, Bezold-Jarisch反射が誘発されたり抑制されたりするためと考えられる.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 18 (1), 3-10, 1998

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ