100Hz以上の多段階低域遮断を用いた心室遅延電位記録法の臨床的有用性  Subtraction法による検討

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical significance of using low cut filters ranging higher than 100Hz for recording late potentials. Investigation using a subtraction method.

この論文をさがす

抄録

心室頻拍の発現を予測する指標としての3段階の低域遮断 (H1: 100Hz, H2=120Hz, H3=160Hz) と450Hzの高域遮断フィルタを用いた多段階高周波心電図の有用性を検討した.いすれも通常用いられている100Hz以下を減衰し高域を記録し得るフィルタである.対象は, 陳旧性心筋梗塞74例と健常者27例の計101例である.それぞれのQRS持続時間 (QRSD) とQRSの終末部の持続性低電位 (FP=<10μV) の持続時間を計測した.対象は, 異なるフィルタを用いた3つの記録が同時に終了する群 (一致群) とそうでない群 (不一致群) に分類できた.VT例の頻度は一致群では77%, 不一致群では4%であり, 終末が一致する所見はVTと関連が強かった.持続性VTは全例一致群であった.QRSDはVT群で長く, 持続性VTで最も長かった.このQRSD延長はFPの延長によるものであった.H1のみでは識別できなかったVT例 (11例) 中6例はH2, H3を用いることにより識別可能であった.以上より多段階高周波心電図法の有用性が示された.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 18 (4), 481-488, 1998

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ