サットン氏遠心性後天性白斑

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  • サットン シ エンシンセイ コウテンセイ ハクハン

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抄録

Sutton氏遠心性後天性白斑と呼ばれるものは,元来結節状の母斑細胞母斑(中心母斑)があつて,これを中心として尋常性白斑様の白斑を生ずるものである.Weberはある種の母斑は白暈を形成する素因を持つと考えて,これをleucodermic naevusと呼んだ.この時始めてhaloという言葉を使つたことから,Feldman and LashinskyはSuttonによつて記載された疾患をhalo naevusと名付けた.その他のSynonymにleucopigmentary naevus,perinevic leucoderma,perinevic vitiligo(Narduccci),vitiligo with a central mole等があり,最近ではFrank ,Kopfらはhalo nevusという言葉を広く用いている.中心病変が悪性黒色腫であつたものに,malignant Sutton's nevusの名前がある(Champion).中心病変はほとんどは色素細胞母斑である.本邦例を見ると全て色素細胞母斑であるという(田中),外国では母斑性,非母斑性病変を中心として白暈の生じた報告が多い.本症は臨床的並びに組織学的に特異な経過をたどる.すなわち,色素細胞母斑のあるものは褪色し,扁平化と縮少があり遂には消失するとともに白暈も消失するという.中心母斑の組織像は母斑細胞と小円形細胞の混在することは諸家の記すところである.この小円形細胞は類上皮細胞,小リンパ球等といわれそれ以上追求されていなかつたが,川村,田中は組織学的に,この小円形細胞を母斑細胞の変性細胞とした.著者は東大外来の豊富な材料を用いてこの説に対し新たに検討を加え,さらにこれにつき詳かにしたのでここに報告したい.

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