複合型海洋牧場における放流魚の定着状況と魚類相

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  • フクゴウガタ カイヨウ ボクジョウ ニ オケル ホウリュウギョ ノ テイチャク ジョウキョウ ト ギョルイソウ

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水産資源の維持・培養を図る手段として、漁場環境の保全、栽培漁業、資源管理型漁業および沿岸漁場整備開発等の事業が各地で展開されている。岡山県では1991年に海洋牧場パイロット事業推進構想を策定し、1994年から人工魚礁の設置による有用魚類の生息域の拡大(沿整事業)と音響馴致技術を応用した人工種苗の放流(栽培事業)など各種技術要素を組み合わせた複合型海洋牧場の造成技術の開発を進めている。人工魚礁は構造物を水中に設置して魚群を誘因あるいは誘導し、その場所に滞留させて漁獲の機会を増大したり、保護育成したりするものである。また音響馴致は、海洋牧場内に放流される人工種病の放流直後の逸散や幼魚期の不合理漁獲を抑制することを目的に行った。音響馴致技術の海洋牧場への応用は大分県水産試験場が全国に先駆けて着手し、音を条件刺激、餌を無条件刺激としてマダイ放流魚を条件付けた。一方、本県が開発を進めている白石島海洋牧場はマダイ、クロダイ、キジハタ、メバル、キュウセンなどの天然魚も含めた複雑種を対象としている点で従来の海洋牧場造成と異なる。本稿では、海洋牧場海域の自然環境、海洋牧場の核をなす音響給餌ブイ周辺の幼稚仔保育場を中心とした生息場および音響給餌施設の整備状況、魚類相並びにクロダイ、キジハタ放流魚の定着状況について紹介する。

Journal

  • 水産工学

    水産工学 35 (3), 303-309, 1999-03

    東京 : 日本水産工学会

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