サザナミハゼValenciennea longipinnisの巣穴の換水に与えるマウンドの効果 Effect of Mound Structure on Water Exchange in Valenciennea longipinnis Burrow

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抄録

インド・太平洋の浅海域に分布するクロイトハゼの数種は、海底の岩盤や岩の下を利用して巣穴を作り、その上に死サンゴ片や砂粒などで顕著なマウンドを作ることが知られている。サンゴ礁礁池内に生息するサザナミハゼの雌が、産卵後に雄が卵保護を行っている巣穴の開口部の1つに死サンゴ片や砂粒、小石、貝殻、海藻などを周囲から口で運び込み、高く積み上げてマウンドを作ることを報告している。しかしこれまでその機能や役割に関する研究は皆無である。サザナミハゼと同様に巣穴の開口部の1つにマウンドを作るアナジャコの1種やプレーリードッグにおいては、そのマウンドに巣穴外の水や大気の汚れを利用して巣穴の中の換水あるいは換気を促進する機能があることが知られている。このマウンドの換水機能にはベルヌーイ効果と流体の粘性が関係していると考えられている。すなわち、マウンドが積み上げられた開口部は同じ巣の他の開口部よりも速い流れにさらされるため、マウンド頂部の流体の圧力は他の開口部付近よりも低くなる。その結果、巣穴内の流体はマウンドのある開口部へと移動し、巣穴の外の速い流体に引きずられて排出される。サザナミハゼの雄は卵が孵化するまで、巣穴の中で鰭や体を使って卵を煽るファニングと呼ばれる行動によって卵に酸素の多くとけ込んだ新鮮な海水を供給している。卵保護期間中の巣穴内の水中酸素濃度は巣の外に比べて低く、巣によって1.5ml/l近くまで低下することが知られている。

収録刊行物

  • 水産工学

    水産工学 36(1), 87-90, 1999-07-15

    日本水産工学会

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008275252
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10278554
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    SHO
  • ISSN
    09167617
  • NDL 記事登録ID
    4818708
  • NDL 雑誌分類
    ZR26(科学技術--農林水産--水産)
  • NDL 請求記号
    Z18-1327
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  IR 
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