下大静脈内腫よう栓を有する進行肝癌に対するリザーバー動注化学療法  4症例の検討

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タイトル別名
  • The Effect of Hepatic Arterial Infusion Chemotherapy to Tumor Thrombosis in the Hepatic Vein of Advanced Hepatocellular Carcinoma

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抄録

下大静脈内腫瘍栓を有する進行肝癌における診断と内科治療について報告する. 4症例の内訳は男性3人, 女性1人で平均年齢は63.5歳であった. 患者因子としては症例1, 2, 3は臨床病期がI, 症例4のみがIIであった. 腫瘍因子としては肉眼型はいずれも結節型で症例3を除き単発例であった. 診断においては特に下大静脈血管内超音波検査により正確な下大静脈内腫瘍栓の存在とその進展度の評価が可能であった. 治療は症例1, 2でリザーバー動注化学療法単独, 症例3, 4でリザーバー動注化学療法および放射線療法を施行した. 奏効率は50%で, 平均生存期間は15.3カ月であった. 従来より下大静脈内腫瘍栓を有する進行肝癌の予後は極めて不良とされているが, リザーバー動注化学療法により生存期間の延長を期待し得る可能性が得られ報告する.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 43 (3), 159-167, 2002

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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