Recent Progress in the Study on Apoptosis.

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  • アポトーシス研究の最近の進歩
  • ロウネン イガク ノ テンボウ アポトーシス ケンキュウ ノ サイキン ノ シ

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アポトーシスとは発生・成熟の過程で不必要になった細胞や傷害を受けた細胞を積極的に除去するために, 細胞自身が持つプログラムにのっとって高度に制御されて引き起こされる細胞の死であり, 生体の恒常性の維持に重要な機能を担っている. しかも, この細胞の死は線虫から高等動物にいたるまで極めて保存された遺伝子群により, 増殖や分化と表裏一体で制御されている. 近年, アポトーシスの制御に関わるbcl-2, p53, カスペースファミリーなどの主要な遺伝子とそれらの産物の構造と機能との関連性, アポトーシスの誘発に直接関わっている Fas と Fas リガンド, 腫瘍壊死因子とそのレセプターを介したアポトーシスの機構, セラミドを介した誘発の機構, Bcl-2タンパクの機能と関連したミトコンドリア膜電位とミトコンドリアタンパクの役割が次第に明らかにされてきている. 一方, アポトーシスが生命の恒常性の維持に重要な意味をもつことから, その異常がエイズを含めたウイルス疾患, 細菌感染症, 自己免疫疾患, 免疫不全症, 神経変性疾患, 内分泌疾患, 腎臓疾患, 心臓疾患, 消化器疾患, 癌などの多くの疾病の病態, 病因に関わっていることが明らかにされ, その分子レベルでの理解から, 病因・病態の把握にとどまらず, アポトーシスの制御分子を標的として治療に応用されようとしている. 本稿ではそのアポトーシスの分子機構の最近の進歩とアポトーシスと疾病との関わりについて概説する.

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