高齢者の疼痛管理 Pain Managements in the Elderly

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抄録

高齢者の愁訴の第一は疼痛であり, 25~50%の高齢者が腰痛や関節痛などで苦しんでいる. 高齢者の慢性痛は一般成人に比べ, 痛みや鬱状態はそれほど強くないが, 活動 (行動) 制限は大きく出現する. そのため痛みの評価には, 痛みの強さだけでなく Sickness Impact Profile のように痛みに対する活動 (行動) を検索することが重要である. ペインクリニックで取り扱われる高齢者の疼痛疾患としては帯状疱疹後神経痛, 変形性膝関節症や変形性脊椎症による腰下肢痛, 三叉神経痛, 癌性疼痛, 五十肩, 頸肩腕症候群などがあり, これらの疾患は老人性変化に起因することが多く, 難治性の疼痛に成りやすい. 高齢者では痛みがADLやQOLに直結していることや, 慢性痛への移行を予防するためにも積極的に痛みをとることが必要である. しかし生理的機能が低下し合併症が多いことから, 治療法には制限がある, 種々の鎮痛薬, 鎮痛法を組み合わせたバランス鎮痛は, 相乗効果, 副作用の減弱という効果が期待でき, 高齢者においては理想的な鎮痛法と思われる. また有効な鎮痛薬の選択は重要で, ドラッグチャレンジテストは有用な選択法である. またNSAIDsや麻薬系の鎮痛薬とは異なった作用機序をもつNMDA受容帯拮抗薬などの薬物は, 今までの鎮痛薬では反応しなかった疼痛に対して朗報をもたらすと思われる. またレーザー治療は副作用がほとんどないことから, 高齢者の鎮痛の補助法として益々頻用されるものと思われる. 高齢者は個体差が大きくしかも合併症が多いことから, 個々の患者に応じた治療および管理が必要である.

収録刊行物

  • 日本老年医学会雑誌

    日本老年医学会雑誌 36(11), 769-775, 1999-11-25

    The Japan Geriatrics Society

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キーワード

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008485858
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00199010
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    03009173
  • NDL 記事登録ID
    4954643
  • NDL 雑誌分類
    ZS21(科学技術--医学--内科学)
  • NDL 請求記号
    Z19-25
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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