日本における総合的機能評価の知識と利用及び主治医意見書について : 日本老年医学会教育認定施設, 療養型病床群, 老人保健施設の多施設共同調査 Knowledge and Utilization of Comprehensive Geriatric Assessment in Japan

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抄録

介護保険の一次判定書の構成成分は総合的機能評価の項目と合致するが, 主治医意見書は自由記載部分が多いため, 要介護判定における総合的機能評価の知識と利用を調査することは意義深いと考えられる.<br>日本老年医学会教育認定施設, 療養型病床群, 老人保健施設の1,057施設に対し, 介護保険導入前1999年7月に総合的機能評価と主治医意見書に関する全国調査を施行し, 39.2%の回収率で回答が得られ, 以下の分析結果を得た.<br>1) 2/3が総合的機能評価の知識を有し, 40%が機能評価の少なくとも一部を利用していた.<br>2) 機能評価に関与する職種は医師, 看護婦, 医療ソーシャルワーカーの他, リハビリテーション関連職種 (PT, OT, ST) や介護職など多くの職種か関与していた.<br>3) 機能評価を行っている診療科は老年病科, 内科, リハビリテーション科が頻度が高く, 総合診療科では殆ど行われていなかった.<br>4) 総合的機能評価に価値を見いだす回答が多く, 否定的意見は少数であった.<br>5) 実施の困難理由は, 人的経済的制約であった.<br>6) 機能評価各項目の認知度は, 施設差が見られ, 国際的汎用スケールは日本老年医学会教育認定施設で認知度が高く, 厚生省制定のスケールは療養型病床群, 老人保健施設で高かった.<br>7) 総合的機能評価を現在使用している施設, 将来使用する施設の合計は, 70%以上に昇った.<br>8) 介護保険一次判定書による痴呆の診断については, 信頼度が低かった.<br>9) 主治医意見書では, 痴呆の重症度判定, 精神神経症状の記入に困難を感ずる意見が多かった.<br>介護保険の実施に伴い, 日常生活機能を正しく記載するためには, 総合的機能評価方法が医師及び医師以外の多職種に普及することが望まれ, そのためにはガイドライン作成と医療経済的裏打ちが必要と思われる.

収録刊行物

  • 日本老年医学会雑誌

    日本老年医学会雑誌 38(2), 139-147, 2001-03-25

    The Japan Geriatrics Society

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008506400
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00199010
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    03009173
  • NDL 記事登録ID
    5724734
  • NDL 雑誌分類
    ZS21(科学技術--医学--内科学)
  • NDL 請求記号
    Z19-25
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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