直腸癌・長期予後とQOLからみた神経温存手術の適応

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  • Indications of Nerve Sparing Operation for Rectal Cancer, with Special Reference to Prognosis and Quality of Life

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抄録

第56回日本臨床外科医学会総会のパネルディスカッションでの8人の演者の発表を基に,直腸癌に対する自律神経温存手術の適応について考察した.自律神経温存手術は側方リンパ節郭清と神経温存とからなるが,神経温存の範疇に側方リンパ節郭清を行わない症例を含めるか否かという問題についてはまだ解決していない.神経温存の適応は,癌の側方への最初の通路である骨盤神経叢を温存して側方郭清を行っても根治的な意義はなく,側方郭清を行う症例では神経温存は行わないとするものから,リンパ節転移例に対しても積極的に神経温存側方郭清を行うものまであった.多くの演者は癌の進行度で側方郭清の程度と神経温存量を決定しており,予後からみてDukes AおよびDukes Bは神経温存の適応として良いと考えられるが,Dukes Cの5年生存率は40%から78%と施設によって異なり,特にn2の成績は不良で神経温存の適応にはなりにくい.

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