限局性病変を有する側頭葉てんかんの前兆

  • 臼井 直敬
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター) 現:名古屋大学医学部脳神経外科
  • 三原 忠紘
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
  • 松田 一己
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
  • 鳥取 孝安
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
  • 大坪 俊昭
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
  • 馬場 好一
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
  • 井上 有史
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
  • 八木 和一
    国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)

書誌事項

タイトル別名
  • Aura Differences in Temporal Lobe Epilepsy with Discrete Lesions.

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抄録

難治な側頭葉てんかんで手術し、側頭葉に限局性器質病変を有した50症例を対象に、前兆の内容を調べた。いずれも術後2年以上が経過し、手術成績はEngelの分類のclass-Iまたはclass-IIであり、病変の大きさはCTまたはMRI画像上で直径4cm以下を選んだ。対象を、病変が側頭葉外側後部にあるlateral群と側頭葉内側あるいは側頭極にあるpolar-mesial群に分けて検討し、また、病変の側方性(言語優位側か非優位側か)との関係を調べた。その結果、記憶障害性および言語障害性前兆はlateral群に多かった。他の精神性前兆(認知性、感情性)は病変の局在による差異を認めなかった。言語優位側に病変がある症例では前兆は訴えないものが多かった。記憶障害性および感情性前兆は言語非優位側に病変がある症例に多かった。すなわち、病変の局在や側方性により、精神性前兆の内容や頻度が異なることが示された。

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 19 (2), 117-125, 2001

    一般社団法人 日本てんかん学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (27)*注記

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