付 : わが国におけるセンチネルリンパ節生検の現状と展望

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抄録

センチネルリンパ節とは, 癌のもっとも近くにあるリンパ管からのリンパが最初に流れ込むリンパ節のことであり, このリンパ節に転移がなければ, その癌の領域リンパ節転移はないのでリンパ節郭清が不要になるとの考え方が, センチネルノードコンセプトである。このコンセプトは, 20世紀の100年間で徐々に形成されてきたものである。ただしこの理論は, 生理的なリンパ流が保たれていないと成り立たない。センチネルリンパ節を探し出す方法として色素法とアイソトープ法および両者の併用法がある。併用法が精度は高いが, 最初, 色素法から始め, 病院内の合意形成が充分できてからアイソトープ法を併用するのがよい。センチネルリンパ節生検に引き続き郭清を行って精度を求めるファーストステップとセンチネルリンパ節に転移がなければ, 郭清を省略するセカンドステップがある。ファーストステップで精度を確認してから, なるべく早期の症例を適応としてセカンドステップを始めるべきである。現在わが国では, 乳癌をはじめ, 甲状腺癌, 食道癌, 胃癌, 大腸癌などさまざまな癌種でセンチネルリンパ節生検が行われ, 乳癌ではセカンドステップを行っている施設も増加しつつある。センチネルノードコンセプトによる郭清の省略が標準的な医療として定着するには, まだ時間を要すると考えられるが, 癌患者の術後QOLを高める手法のひとつとしてその日が早く来ることを望むものである。

収録刊行物

  • 日本外科系連合学会誌

    日本外科系連合学会誌 26(2), 182-187, 2001-04-30

    日本外科系連合学会

参考文献:  20件中 1-20件 を表示

被引用文献:  2件中 1-2件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008562024
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00002502
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    03857883
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  J-STAGE 
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