散発事例由来サルモネラにおけるナリジクス酸耐性株の出現状況

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タイトル別名
  • Increasing Nalidixic-Acid-Resistance in <I>Salmonella</I> Strains Isolated from Sporadic Cases in Tokyo
  • サンパツ ジレイ ユライ サルモネラ ニ オケル ナリジクスサン タイセイカブ ノ シュツゲン ジョウキョウ
  • Increasing Nalidixic-Acid-Resistance in Salmonella Strains Isolated from Sporadic Cases in Tokyo

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抄録

東京において1988~1998年の11年間に, 国内散発事例及び海外旅行者による輸入散発事例より分離されたサルモネラにおけるナリジクス酸 (NA) 耐性株の年次別出現状況, それらの血清型, 他薬剤と合わせた耐性パターンについて検討した。更に, 検出NA耐性株については, フルオロキノロン系薬剤 (NFLX, OFLX, ENX, CPFX) に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, NA感受性株と比較した.<BR>国内事例ではこの間5, 302株のサルモネラが検出され, そのうちNA耐性株は68株 (1.3%) で, 年次別に見ると1994年までは0~1%台で推移してきたが, 1995年と1998年は3.0%と増加傾向が認められている, 一方, 輸入事例では1, 981株検出され, そのうちNA耐性株は50株 (2.5%) で, 年次別に見ると1991年までは1株しか検出されなかったが, 1996年11.3%, 1998年27.1%と近年急増している。<BR>両事例由来118株のNA耐性株の血清型は, 型別不能を除き25種認められ, S. Enteritidis, S. Blockly, S. Litchfield, S. Typhimurium, S. Hadar, S. Virchowなど, 検出頻度の高い血清型において株数が多かった。<BR>他薬剤 (CP, TC, SM, KM, ABPC, ST, FOM, NFLX) を含めた耐性パターンは, 26パターンと多岐にわたっており, そのうち2剤以上の多剤耐性株は73株 (61.9%) であった。なお, NFLX高度耐性を含む多剤耐性株が1株検出されている.<BR>これらNA耐性株のフルオロキノロン系薬剤に対するMICは, 対象として用いたNA感受性株に比較して, 各薬剤いずれも4~128倍高い範囲内の分布を示した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (4), 345-352, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (22)*注記

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