メタロβ-ラクタマーゼ遺伝子<I>bla</I><SUB>IMP</SUB>陽性グラム陰性桿菌検出症例の臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical Characterization of <I>bla</I><SUB>IMP</SUB> Positive Gram-negative Rods Isolated Cases
  • メタロβ-ラクタマーゼ遺伝子blaIMP陽性グラム陰性桿菌検出症例の臨床的検討
  • メタロ ベータ ラクタマーゼ イデンシ blaIMP ヨウセイ グラム インセイカンキン ケンシュツ ショウレイ ノ リンショウテキ ケントウ
  • Clinical Characterization of blaIMP Positive Gram-negative Rods Isolated Cases

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抄録

1993年から1999年までの間に大分医科大学附属病院検査部にて分離されたグラム陰性桿菌を用い, メタロβ-ラクタマーゼ遺伝子blaIMP陽性菌株を検出し, その検出症例の臨床背景について検討した. blaIMP陽性株は緑膿菌20株, Serratia marcescens5株の計25株, 25症例より検出され, 分離材料別では尿からが最も多く分離されていた.S. marcescensの1株を除いて全て1997年以降の株から検出されていた. blaIMP陽性菌では薬剤感受性はaztreonamやimipenemに感受性を示す株を数株認めたが, ほとんどの株で多剤耐性を示していた. blaIMP陽性菌分離症例の臨床背景としては高齢者や悪性疾患などの重篤な基礎疾患をもつ症例からの検出が多く, 菌分離時にはほとんどの症例で感染所見を呈していた. さらに多くの症例で尿道カテーテルや気管内挿管チューブや血管カテーテルが留置され, カテーテル留置がblaIMP陽性菌の感染に関与していることが示唆された. blaIMP陽性菌検出前の投与抗菌薬は50%以上の症例が広域抗菌スペクトラムをもつ抗菌薬が投与されていた. 一方全く抗菌薬が投与されていない症例が2例 (8%) 認められた. また同一病棟内同一時期での分離が多数を占め, 菌株の遺伝子型も近似したパターンを示し, 同一菌由来と考えられる株が多く検出されていた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (11), 946-954, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (14)*注記

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