壁の色が直立姿勢に及ぼす効果 Roles of Color Walls in Maintenance of Upright Posture

この論文にアクセスする

この論文をさがす

著者

抄録

われわれ生体が安定した直立姿勢や歩行姿勢を維持できるのは, 生体を取り巻く空間内の様々な環境刺激に対し, 自らを定位づけ, 調整しているためと考えられる。鈴木 は空間の枠組みが, 身体に及ぼす影響について検討するために, 定常的に安定した存在としての壁までの距離が身体動揺へ及ぼす影響を調べた。その結果, 壁からの距離が遠くなるのに伴い重心動揺の動揺面積が一次関数的に増大した。これは, 安定した対象物である壁, すなわち生体を定位づけ, 姿勢を維持する手がかりとなる視覚情報が確かなほど姿勢が安定化することを示している。この結果は, 他の報告とも本質的に一致する。<BR>われわれを取り巻く環境刺激の一つである色彩は一般に青色, 緑色などの寒色系, 橙色, 黄色などの暖色系に分類される。寒色系の色彩は収縮 (後退) 色であり, 暖色系の色は膨張 (進出) 色であると言われる。収縮色, 膨張色の違いは, 色相の波長の違いの結果生ずる水晶体の厚さの違いによりもたらされる。また色によって同じ重さの判断が異なることも知られており, 暖色系ほど軽く判断される。本実験は定位づけの対象となると考えられる環境刺激の特性の違い (壁の色) を変数として, 直立姿勢維持機構がどのような影響を受けるかを検討することを目的として行った。

It has been considered that the visual framework perceived peripherally plays an important role in postural stability during upright standing. This experiment was designed to investigate the roles of wall colors (red, green, yellow, blue, and white) and distance from wall (36 cm, 50 cm, 100 cm) in maintaining an upright standing position. The results were as follows. In 4 wall colors excluding yellow, body sway increased as the distance between the body and the wall increased. There was no decline in the center of gravity when closer to a yellow wall. Women were more affected than men under all conditions.

収録刊行物

  • Equilibrium research

    Equilibrium research 57(1), 98-101, 1998-02-01

    Japan Society for Equilibrium Research

参考文献:  11件中 1-11件 を表示

被引用文献:  1件中 1-1件 を表示

キーワード

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008710786
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00001485
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    03855716
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  J-STAGE 
ページトップへ