A型インフルエンザ流行期の小児における塩酸アマンタジンの使用経験

書誌事項

タイトル別名
  • A Trial of Amantadine for the Treatment of Influenza A Infection in Children
  • Aガタ インフルエンザ リュウコウキ ノ ショウニ ニ オケル エンサン アマンタジン ノ シヨウ ケイケン

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抄録

1998年1月から3月の期間に臨床的にインフルエンザと診断した症例に対し, 保護者のinformedconsentのもとにアマンタジンの投与を行った. アマンタジン (シンメトレルTM) 投与例は治療目的にて投与した52名, 予防のため投与した3名の計55名である. 投与量は3~5mg/kg/day分2 (最高200mg) 投与期間は原則として5日間とした. このうちペア血清で抗体価の上昇がみられた23名 (すべてA香港型インフルエンザ) について, アマンタジン投与開始からの発熱期間を検討すると, 3日以内の症例は14例 (60%) であった. 発熱期間が4日以上の症例は9例あったが, このうちa) 発症から48時間以降に投与された症例が7例, b) 細菌の二次感染例が3例 (aとの重複例が2例) 認められた. また発症から48時間以内に投与できかつ細菌の二次感染が認められない症例8例の発熱期間は3.25±2.49日であり同時期のアマンタジン非投与群と比較すると有意に短縮していた. 副作用は55例中1例のみに認め慢性リンパ性白血病の6歳男児 (4mg/kg/day) に多弁, 不眠が出現した. アマンタジンは発症早期に投与すれば有効であり特にワクチンを受けられない基礎疾患をもつ小児の治療に有効であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (1), 6-11, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (12)*注記

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